授業科目名 哲学概説
英語授業科目名 Outline of Philosophy
科目ナンバリング HUM1001
講義番号 XZ100011 担当教員[ローマ字表記] 大田 俊寛 [Ohta, Toshihiro]
科目区分 基盤 開講学部 教育機構
単位数 2 必修・指定選択・選択の別
開講学期(期別) 第1 曜日時限 火2,木2
教室 全学講義棟 1-403 対象年次 1~4
初年次教育科目

クラス指定

他との関連(関連項目)

私が担当しているもう一つの講義「宗教学概説」との関連が深いため、併せて履修することが望ましい(とはいえ、それぞれ独立した内容であり、個別にも履修可能)。

履修条件(授業に必要な既修得科目または前提知識)

本講義では、古代から現代までの哲学史を全体的に通覧することを目標とするため、各回の情報量がやや多めとなっている。ゆえに、哲学や思想に関心がなければ、途中で講義の内容に付いていけなくなることも予想される。下記の「授業展開」に講義の内容を詳しく記したので、そちらを熟読し、主体的な関心が持てるかどうかを考えてから履修を決めてほしい。

テーマ・副題

西洋哲学史概説

授業科目の到達目標

1)西洋哲学の基本的主題の概要や、思考の枠組みを理解する。
2)講義の内容を踏まえた上で、関心を持ったテーマについて自ら調べられるようになる。
3)哲学の主題に関して、自らの考えを明確化できるようになる。

学科・専修等の学習・教育目標との関連

授業キーワード

自然学 形而上学 弁証法

授業の内容

古代ギリシャの哲学から、マルクスやニーチェまでの哲学史を、しばしば宗教との関係も交えながら、全体的に論じる。

授業の方法・事前準備学修・事後展開学修

講義形式。事前の準備は特に不要。各講義後は、講義のなかで指示する参考文献を積極的に読むよう心がけてほしい。

授業展開(スケジュール)

第1回:イントロダクション──哲学と宗教の関係について

宗教とは「これが真理である」という断言/哲学とは「何が真理なのか?」という懐疑/死に対する態度/哲学的な理論体系の三類型──自然学・形而上学・総合学
第2回:古代都市の信仰

宗教はいかにして生まれるか/歴史学者フュステル・ド・クーランジュ/古代人の信仰──死者の霊魂の崇拝/家族宗教における「父」/都市国家の成立/都市の階級対立と革命
第3回:初期自然哲学とソクラテス

ソクラテス以前の自然哲学──タレス、ピタゴラス、ヘラクレイトス/ソクラテスの人物像と時代背景/ソフィストとの論争──『ゴルギアス』/ソクラテスの裁判──『ソクラテスの弁明』/ソクラテスの刑死──『パイドン』
第4回:プラトンのイデア論

プラトンの生涯と思想的課題/『国家──正義について』/詩人追放論/魂と国家の三部分説/国家の守護者の育成方法/洞窟の比喩/エルの物語/『ティマイオス──自然について』/デミウルゴスの世界創造
第5回:アリストテレスによる学知の体系化

アリストテレスの生涯/イデア論への批判/自然学──四原因説/形而上学──不動の動者/倫理学──ポリス的存在としての人間/政治学──共通善の探求
第6回:ヘレニズム期とローマ帝政期の自然学

アレクサンドロスの帝国とヘレニズム/エピクロス派/ストア派/ローマ帝国の成立──共和政から帝政へ/キケロの自然法思想
第7回:プラトン主義と一神教の結合

アレクサンドリアのフィロン/グノーシス主義──「真の神」と「偽りの神」の二神論/プロティノスの新プラトン主義/アウグスティヌスの回心体験
第8回:スコラ哲学の展開

教父哲学からスコラ哲学へ/ボエティウス『哲学の慰め』/アンセルムス──神の存在証明/ピエール・アベラール──真偽の批判的判断/トマス・アクィナス──スコラ哲学の大成者
第9回:デカルトの数学的自然像

デカルト哲学はなぜ難解なのか/デカルトの生涯/『精神指導の規則』/永遠真理創造説/『方法序説』/方法的懐疑──われ思う、ゆえにわれ在り/神の存在証明/『哲学の原理』/宇宙の渦動説/デカルト哲学の影響
第10回:ホッブズの人間論と国家論

ホッブズの生涯/歴史的背景──イングランドの内戦/エピクロスの唯物論からの影響/『リヴァイアサン』/人間とは何か/諸学問の体系/宗教への批判/人間の自然状態──各人の各人に対する戦争/国家という人工人間の創設/リヴァイアサンかビヒーモスか
第11回:カントの理性批判

カントの生涯/大陸合理論とイギリス経験論の対立/『純粋理性批判』/純粋理性のアンチノミー/悟性のカテゴリー/『実践理性批判』/人間の自由とは/道徳法則の探求──定言命法と仮言命法/『人倫の形而上学の基礎づけ』/人格主義と「目的の国」/『永遠平和のために』
第12回:ロマン主義の有機的世界観

啓蒙主義とロマン主義の対立/ヨハン・ゲオルク・ハーマン/ヨハン・ゴットフリート・ヘルダー/疾風怒濤/『言語起源論』/『人間性形成のための歴史哲学異説』/ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ/『ドイツ国民に告ぐ』/ロマン主義とナショナリズム/フリードリヒ・シェリング/神の内なる自然
第13回:ヘーゲルの弁証法

ヘーゲルの生涯/ヘーゲル哲学の基本的性格/弁証法──即自・対自・即自かつ対自/『精神現象学』/主人と奴隷の弁証法/ミネルヴァの梟は黄昏に飛び立つ/『法の哲学』/家族・市民社会・国家/戦争の必要性
第14回:マルクスの共産主義思想

マルクスの生涯/キリスト教理解をめぐるヘーゲル学派の分裂/『ライン新聞』時代の経験/『ヘーゲル法哲学批判序説』/宗教と国家への批判/ブルジョアジーとプロレタリアートの対立/『ドイツ・イデオロギー』/唯物史観の形成/『コミュニスト宣言』/労働疎外の問題/全世界のプロレタリアよ、団結せよ
第15回:ニーチェの反哲学──生命力・闘争・高貴の思想

ニーチェの生涯/ニーチェに影響を与えた三人の人物/二度の従軍経験/『悲劇の誕生』/アポロ的なものとディオニュソス的なもの/アーリア精神/ドイツ精神による悲劇の再生/『道徳の系譜学』/アーリアン学説とは/司牧者とユダヤ人による価値転換/弱き者の怨恨(ルサンチマン)

成績評価方法

講義期間中に3回の感想票提出。
学期末にレポート提出。

(感想票は、提出すれば原則的に加点するが、講義の内容を理解していないと思われるものについては、その限りではない。)

成績評価基準

学期末のレポート(80%)、講義中の感想票など(20%)。

テキスト

特になし。毎回こちらからレジュメを配布する。

参考図書

反哲学史/木田元 著,,講談社,2000
政治学史/福田 歓一/著,,東京大学出版会,1990
その他の参考文献は、講義中に指示する。

学生へのメッセージ

私の現在の専門は宗教学(宗教思想史)であり、哲学ではありません。皆さんと同じ学部生の頃、哲学を勉強していたのですが、本当に自分が哲学の議論を続けていけるどうか不安になり、宗教学に専門替えしてしまいました。

昨年度から、「宗教学概説」と並んで「哲学概説」も担当することになり、久しぶりに哲学の世界に戻ってきました。とはいえ、宗教研究という回り道を辿ってきたおかげで、哲学の理解も自然と深まったように思います。宗教学概説の講義と比較すれば、抽象的な話が多くなってしまうことは避けられませんが、過度に細部に拘泥せず、哲学史の大まかな本筋を理解するように心がけていただければ幸いです。

その他・備考