タイトル
     2024 年度 後期  経済学部 経済学科(昼間コース) 日英区分 :日本語 
  
刑法
Criminal law
  
ナンバリング 科目分野
EL3006   経済学部専門科目
担当教員(ローマ字表記)
  山内 竜太 [YAMAUCHI Ryuta]
対象学生 対象年次 単位数
  1~4 2
必修・指定選択・選択の別 曜日時限 教室
  火4〜5 全学講義棟 1-401
科目群 講義番号
  A05110
クラス指定  
なし
 
他との関連(関連項目)  
法律関連科目
 
履修条件(授業に必要な既修得科目または前提知識)  
・はじめて法律学を学ぶ方を念頭に置いて講義しますので、前提知識は必要ありません。ただし、本講義は、経済学部のメジャー「法と公共政策」の2~4年次の選択必修科目として設置されていますので、同メジャーの2年次以上の学生を念頭に講義します。また、法学や刑法の入門書に書かれている内容を理解している方がより理解しやすいものとなりますので、講義前にこれらの入門書を読んでおくことを推奨します。
・刑法や法律学に興味のある方の履修を歓迎いたします。ただ、刑法学は犯罪を取り扱う学問ですので、その性質上、殺人罪等の犯罪に言及する場合があります。この点、犯行現場の画像等の資料を示すことはありませんが、あらかじめご承知おきください。
 
テーマ・副題  
刑法総論・入門-刑法学と公共政策の関係も視野に-
 
授業科目の到達目標  
①いわゆる刑法総論の基本的な事項の学習を通じて、刑法的なものの見方を修得し、それを説得的に伝えられるようになること。
②簡単な事例につき、刑法総論の基本的な知識を活用して当該事例を刑法的に解決できるようになること。
③公共政策の実現という観点から、劇薬である刑罰をどのように活用すべきかについて、自分なりに考えられるようになること。
 
『ディプロマ・ポリシー』を含む学部・研究科・学科等の学修・教育目標との関連  
・法と公共政策メジャーの主要な応用的分野の専門知識を習得するための科目になります(教育目標3に対応)。
・法に特徴的な基礎的・理論的思考力:刑法学に特有の考え方を学ぶことで、法律学の基本的な思考力を身につけることができます。
・リーガルマインド:刑法総論の学習を通じて、法的に考えることとは何かを学ぶことができます。
・法と公共政策が一体であることへの理解力:法益保護および刑罰の目的という観点から、公共政策の実現として刑罰をどのように活用すべきかを自ら考えることができるようになります。
・各種社会的問題へ対処:社会で起きている犯罪について、刑法的に解決するための基本的な考え方を学ぶことができます。
 
授業キーワード  
刑法、犯罪、刑罰、法学
 
授業の内容  
・本講義では、皆さんに刑法総論と呼ばれる分野に関する基本的な事項を学んでもらいます。刑法総論とは、すべての犯罪に共通して妥当する理論や刑罰の基礎理論を対象とする学問分野です。具体的には、刑法典の第1編「総則」の規定に関する解釈論を学ぶことになります。
・講義の進め方としましては、まず、刑法の役割や刑法学を学ぶ意義について身近なトピックを素材に説明したうえで、犯罪論の全体像や刑事裁判の流れをお示しします(第1回・第2回)。そのうえで、いわゆる単独犯・既遂犯を念頭に、犯罪の成立要件(構成要件該当性・違法性・有責性)に関する基本事項について論じていきます(第3回~第6回)。ここで講義の前半部分が終わりますので、既遂犯とは異なる特徴を有する未遂犯を扱ったうえで(第7回)、事例問題を素材にこれまで学んできた知識を活用して具体的な事例をどのように刑法的に解決するかということを学んでいただきます(第8回)。そして、後半部分として、共犯を含む応用的なトピックを扱っていきます(第9回~第14回)。最後に、公共政策と刑法の関係に興味のある方も多いかと思いますので、チケット不正転売の問題等を素材に、公共政策と刑法学の関係について検討してみたいと思っております(第15回)。
 
授業の方法  
・基本的には、スライド資料を用いた講義形式で行いますが、各回では○×問題を行い、理解の定着度を確認する予定です。また、皆さんに意見を求めることもあります。もっとも、口頭試問をするという趣旨ではありませんので、お気軽にお答えいただければと思います。
・なお、埼玉大学として対面授業の継続が困難という決定がされた場合、本講義は、原則としてZoomを利用したリアルタイム方式で行う予定でおりますが、詳細につきましてはWebClassでお知らせいたします。
 
事前準備学修・事後展開学修  
A)[15回の授業で2単位の科目] 授業1回2コマあたり合計8時間の事前準備・事後展開学修が目安となります。

【具体的な内容】
以上のとおり、事前準備学修・事後展開学修の時間は授業1回1コマあたり4時間が目安となります。まず、事前準備学修としては、教科書やアップロードするスライド資料の該当箇所に目を通し、授業でどのような話がされるのかをイメージし、そのイメージと比較しながら担当教員の説明を聞き、ご自身の理解の不十分だった点等を発見するようにしてください(約1時間)。また、事後展開学修としては、その日のうちにノート等を参照して講義内容を確認するとともに、よくわからなかった点等を教科書等で確認し、講義の各回で出題する予定の〇×式の問題を解説も含めてよく復習しておいてください(約3時間)。とくに確認問題の復習は重要です。なぜなら、担当教員が重要だと思う事項に関するものを出題しており、皆さんにはその事項について理解を深めてもらいたいと考えているからです。
 
授業展開(スケジュール)  
No.内容
第1回 刑法の役割と刑法学を学ぶ意義
第2回 犯罪論の全体像と刑事裁判の流れ
第3回 客観的構成要件要素
第4回 構成要件的故意
第5回 違法性阻却事由の全体像
第6回 責任阻却事由の全体像
第7回 未遂犯
第8回 事例演習
第9回 不作為犯
第10回 過失犯
第11回 正当防衛をめぐる諸問題
第12回 正犯と共犯の区別
第13回 間接正犯
第14回 共同正犯
第15回 公共政策と刑法学
第16回 期末試験
 
授業の詳細(履修登録学生のみ閲覧可)  
WebClassへ
 
成績評価の方法と観点  
本講義は、期末試験のみで評価します。なお、期末試験では、日々の学習や講義への取り組みを平常点として評価できる問題を設け、どこまでの問題が解ければどのような成績となるかといった対応関係が明確になるように問題を出す予定です。詳細は、初回授業等でお知らせいたします。
 
成績評価基準  
埼玉大学単位修得の認定に関する規則に基づき、履修者が授業の到達目標をどれだけ達成したかに応じて以下の通り評価する。
「到達目標を超え、全般的に特に秀でている」 =GP:4 = S
「到達目標を超えており、部分的に秀でている」 =GP:3.5=A+
「到達目標を超えている」 =GP:3 = A
「到達目標に十分達しており、部分的に秀でている」 =GP:2.5=B+
「到達目標に十分達している」 =GP:2 = B
「到達目標に最低限達しており、部分的に B 以上の水準にある」=GP:1.5=C+
「到達目標に最低限達している」 =GP:1 = C
「到達目標に達していない」 =GP:0 = D
「到達目標の達成度を測る材料がない」 =GP:0=F
 
テキスト  
教科書1 ISBN 9784535806610
書名 刑法Ⅰ総論[2版]
著者名 亀井源太郎 [ほか] 著 出版社 日本評論社 出版年 2024
備考 基本的に講義は本テキストに依拠して行う予定です。なお、講義で用いるスライドについては、アップロードする予定ですので、そちらもご参照ください。
教科書2 ISBN 9784641139213
書名 刑法総論判例50!
著者名 十河太朗 [ほか] 著 出版社 有斐閣 出版年 2016
備考 刑法学に限りませんが、法律学を学ぶにあたっては判例の学習が極めて重要です。本講義では、本テキストで取り扱われている判例を中心的に扱う予定ですので、適宜、参照することをおすすめします。なお、本テキストに載っていない判例も講義で扱うことがありますので、その際は、講義で用いるスライドを参考に学習を進めてください。
 
参考図書  
参考書1 ISBN 9784641221925
書名 基礎から学ぶ刑事法
著者名 井田良著 出版社 有斐閣 出版年 2022
備考 刑法に限らず、刑事法全体を学ぶことができる入門書です。本講義を受ける前に一読すると、刑事法学の全体像を掴むことができますので、おすすめです。
参考書2 ISBN 9784641139398
書名 どこでも刑法 : #総論
著者名 和田俊憲著 出版社 有斐閣 出版年 2019
備考 基本的な事項から応用的な事項へとかなり工夫された構成で刑法総論の重要事項について解説をしている入門書です。本講義を受ける前に一読すると、本講義でどういうことを学ぶかの全体像を掴むことができ、理解がしやすくなると思います。
参考書3 ISBN 9784641139329
書名 講義刑法学・総論
著者名 井田良著 出版社 有斐閣 出版年 2018
備考 より詳しく知りたい場合には、いわば辞書的な形で本書を参照するとよいでしょう。
参考書4 ISBN 9784641139459
書名 刑法の時間
著者名 佐久間修, 橋本正博編 ; 岡部雅人 [ほか] 著 出版社 有斐閣 出版年 2021
備考 刑法総論及び刑法各論について、簡単な事例を用いて説明した入門書です。事例をもとに勉強できるので、具体的なイメージを持つにはおすすめです。
参考書5 ISBN 9784335358098
書名 刑法演習サブノート210問
著者名 井田良編著 ; 大塚裕史編著 ; 城下裕二編著 ; 高橋直哉編著 出版社 弘文堂 出版年 2020
備考 刑法総論及び刑法各論で学んだ知識を事例で確認できるというコンセプトの本です。事例を刑法的にどのように解決するかを学ぶのに有用です。
参考書6 ISBN 9784641139541
書名 徹底チェック刑法 : 基本をおさえる事例演習
著者名 嶋矢貴之 [ほか] 著 出版社 有斐閣 出版年 2022
備考 基本的な論点について事例を通じて学べる本です。
参考書7 ISBN 9784641139596
書名 刑法事例の歩き方 : 判例を地図に
著者名 嶋矢貴之 [ほか] 著 出版社 有斐閣 出版年 2023
備考 刑法に関する本格的な事例問題を素材に論点の理解を深めることができる本になります。
 
学生へのメッセージ  
・皆さんのなかには、刑法学を学ぶことが何の役に立つのかという疑問をお持ちの方もいるかもしれません。たしかに、検察官・裁判官・弁護士にでもならなければ、刑法学の知識を使って活躍するという場面は想定し難いかもしれません。しかし、残念なことに犯罪は起きており、裁判員裁判の存在も踏まえますと、一市民として何も考えなくていいとはならないでしょう。とはいえ、何らの指針もなく考えることは難しいものです。刑法学はその際の指針になるもので、具体的な犯罪事例を刑法的に考えることで、より精緻な分析が可能となります。また、公共政策の観点から見ますと、刑罰は社会問題を解決するツールとして位置づけることができるでしょう。もっとも、刑罰は、身体を拘束する等の重大な人権制約を伴うわけですから、いわば劇薬です。そのような劇薬をどのように扱うべきかを学ぶことは、公共政策と法の関係を考えるにあたって重要となります。以上の問題意識から、刑法典の条文をどのように解釈して事例を解決するかという法解釈学的な視点と社会問題を解決する際に刑罰を用いることがどのような場合に適切なのかという公共政策的な視点から、皆さんと刑法総論について学びたいと考えています。
・本講義では、皆さんに刑法総論の基本的なエッセンスをお伝えし、理解していただくという目標を達成するために、次のような工夫をする予定です。まず、最初に単独犯・既遂犯を念頭に犯罪の成立要件の基本・全体像を解説し、その後に応用的なトピックを扱うことで、基本的な事項から始めて徐々に応用的な論点を理解していただけるようにしたいと考えています。また、授業では、具体例をあげて説明したり、○×式の問題を皆さんに検討してもらったりしながら、抽象的な理論がどういう場面で活きてくるのかをイメージできるようにしたいと思います。とくに、第8回では、事例演習という形式で、皆さんがこれまで学んだ知識が実際の事例でどのように活かされるのかを体感することで、刑法学を学ぶ意義をお伝えしたいと考えています。このように、刑法総論は抽象度の高い理論を扱いますが、皆さんが具体的な場面をイメージしながら学習できるように配慮する予定です。
 
人数制限 ※詳細は「その他・備考」欄を参照してください。  
なし
 
連絡先(電話番号)  
なし
 
連絡先(メールアドレス)  
eco55639@mail.saitama-u.ac.jp ※アットマークを半角の"@"に変更して送信してください。
 
オフィスアワー  
連絡先メールアドレスへのメールやWebClassのメッセージ機能等を通じてご連絡いただければ、適宜、対応いたします。もちろん、授業の休み時間や授業後の時間にご質問いただければ、対応いたします。
 
連絡先(ホームページ、その他)  
なし
 
関連ホームページ  
https://researchmap.jp/7000029332(担当教員のプロフィール等)
 
その他・備考  
・本講義では、授業改善のため、各回で任意の授業アンケートをとる予定です。質問のある方は、その際にご記入いただければ、WebClass等を利用してお答えします。また、皆さんからいただいたご質問を個人が特定できない形にし、FAQとして取りまとめ、皆さんに提供したいと思います。このように、受講生の疑問を共有することで、クラス全員の理解を深めていきたいと考えています。
・なお、本シラバスに書いたことはあくまで現時点での予定ですので、変更等の可能性があります。この点、あらかじめご承知おきください。変更等が生じた場合には、その都度、講義やWebClassを通じてお知らせいたします。また、具体的な講義の進め方や期末試験の形式等については、初回授業等でお知らせする予定です。
 
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