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本科目は、科学についての常識を疑ってみる、という科目であり、他の科目とは全く違ったアプローチをする科目です。 自分の頭で、じっくり、ゆっくり、考えてみることをしない方にとっては、向いていない科目と言えます。 また、小中高のように、定着した知識を単に覚え込む、ということを得意とする、いわゆる優等生であって、大学も同じ方法で取り組もうという方も、この科目の趣旨とは大きく違いますので、履修をすると違和感をもちます。 文系的な要素が強いため、内容が豊富であり、多岐にわたりますので、単位を取ることのみを考えている方にとっては、ポイントが判然としないように感じられるでしょう。このような事情を尊重しない方にとっては、この科目から得られるものは少ないでしょう。
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パラダイム史という観点から、21世紀の科学をとらえる
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パラダイム史という捉え方から、ご自身の携わる科学の活動を位置づけ、社会や文化との関わりを考察することを目標とします。
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本科目は、人文学の基幹領域(歴史学)に関する幅広い基本的理解を図る科目です。 科学の営みについて歴史の中で捉えることによって、ご自身の研究活動を自覚的に把握するように方向づけます。 また、科学史上の著名な人たちの仕事の一端に触れることにより、彼らの業績と、当時の社会的文脈や哲学上の議論との繋がりについて、一定の理解が得られるようにします。
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トーマス・クーンという科学史家の考え方は、科学哲学にも登場しますが、科学史の方では、クーンの見解は、それなりに尊重されています。クーンのパラダイム論におけるパラダイムというのは、「一定の期間、科学上の問い方と答え方のお手本を与えるような古典的な業績」のことです。科学の歴史上、天動説と地動説などのように、パラダイムが転換したことが何度かありましたが、そのような転換を科学革命といいます。本授業では、クーンのパラダイム論を日本に紹介した中山茂による科学史学の成果に基づいて、科学史の通史ではなく、パラダイム史という、一段上に立った観点から、科学の営みの歴史をみていきます。そして、さらに、パラダイムよりも、さらに一段上の、メタパラダイムという、時代を貫く大きな流れをとらえることによって、過去の営みだけではなく、将来、どのような科学研究を行っていくべきかを提示することを試みます。なお、本授業では、必ずしも、中山茂のオリジナルの考え方をそのまま扱うわけではなく、より発展的な形で展開していきます。
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プレゼンテーション・ソフトを使用し、ポイントを押さえて、必要項目を学んでいきます。なお、本科目は、文系的な要素が強いため、各スライドを見るだけでは、内容を把握できません。各スライドは、「思考過程重視」でまとめてありますので、そのことを念頭に置いて学習を進めてください。 スライドのPDFを、その都度、事前にWebClassにアップしますので、ご利用ください。なお、印刷配布はしません。手元のメディア機器で、拡大などをしてご覧ください。
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この授業は[15回の授業で2単位の科目]です。 授業1回あたり合計4時間の事前準備学修・事後展開学修が目安となります。 期末試験では、授業で扱ったキーワードについて、筆記することを求めます。ご自身の研究分野で余り見かけないキーワードが多いですから、事前準備学修・事後展開学修において、見慣れておかないと、答案が書けない、といったことになります。各回のスライドは、事前にWebClassにアップしますので、特にキーワードに慣れていくようにしてください。
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第 1回:トーマス・クーンのパラダイム論 第 2回:通史からパラダイム史へ 第 3回:3つのメタパラダイム(1)・・・機械論メタパラダイム、有機体論メタパラダイム 第 4回:3つのメタパラダイム(2)・・・デジタル技術メタパラダイム 第 5回:科学史学ということ、ホィッグ史観(勝利者史観)、科学と宗教・神、「人間」の文化を対象とする科学史 第 6回:天動説(地球中心説)の歩み、アリストテレス、アラビア科学、中世のカトリック、錬金術 第 7回:マクロコスモスとミクロコスモス、地動説(太陽中心説)とネオプラトニズム、コペルニクス 第 8回:ケプラーとガリレオ、暦学と星表、望遠鏡の歴史 第 9回:ニュートンと17世紀科学革命、光学 第10回:真空の科学史、伝統的な説の克服(エーテル、カロリック説、フロギストン説) 第11回:力と活力論争、エネルゲティークとアトミスティーク、分子という見方の確立、アインシュタイン 第12回:産業革命から化学の時代へ、19世紀と制度化された科学 第13回:紡績、肥料、爆薬、石油、自動車、トラクター、航空機、冷凍船、兵器、産業化科学、ものづくりと標準化 第14回:生命科学における前成説と後成説、遺伝子と発生生物学、エンテレヒー 第15回:デジタル技術メタパラダイムとシミュレーション(虚験、仮想現実)、AI、ゲノム編集、環境科学
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期末試験(100%)。 期末試験は、基礎事項について、記述式の用語・歴史人物定着度のテスト(1問1答)を行う予定です。正確さを重視しますので、採点は厳しいものとなります。
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成績評価基準
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埼玉大学単位修得の認定に関する規則に基づき、履修者が授業の到達目標をどれだけ達成したかに応じて以下の通り評価する。 「到達目標を超え、全般的に特に秀でている」 =GP:4 = S 「到達目標を超えており、部分的に秀でている」 =GP:3.5=A+ 「到達目標を超えている」 =GP:3 = A 「到達目標に十分達しており、部分的に秀でている」 =GP:2.5=B+ 「到達目標に十分達している」 =GP:2 = B 「到達目標に最低限達しており、部分的に B 以上の水準にある」=GP:1.5=C+ 「到達目標に最低限達している」 =GP:1 = C 「到達目標に達していない」 =GP:0 = D 「到達目標の達成度を測る材料がない」 =GP:0=F
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特に指定しません。スライドを使用します。ただし、スライドは、教科書に代わるものという位置付けではありません。スライドは、必要な考え方をまとめてあるだけのものです。
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978-4860642792
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パラダイムでたどる科学の歴史
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中山 茂
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ベレ出版
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2011
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絶版であるが、Amazonからオンデマンド出版で入手可能(印刷は不鮮明)
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以上は講義内容全体に関わる参考書です。各回のトピックごとの参考書は授業中に指示します。
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本授業は、科学の通史ではありません。皆さんの多くが思っているように、過ぎ去った科学の歴史を、そのまま取り上げるというのは、現役の科学者にとっては、意味のあるものではありません。将来を見通す力を身につけるために、この授業に参加しているのだ、ということを念頭に置いて、授業に臨んでください。
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WebClassのメッセージ機能をご利用ください。
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質問・相談・アドバイスを希望される方は、WebClassのメッセージ機能を使って、積極的にアプローチしてください。
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本科目は、文系的な要素が強いため、文系の学問の在り方を尊重していただく必要があります。また、内容が豊富であり、単位を取ることのみを考えている方にとっては、判然としない内容であるように感じられます。深く考えていくことが求められます。授業を通じて、何か得るものを見つけられそうにない方は、当の最初から、履修をご遠慮ください。
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