タイトル
     2023 年度 前期  理学部 物理学科 日英区分 :日本語 
  
複素関数
Complex Analysis
  
ナンバリング 科目分野
PHYS2275   理学部専門科目
担当教員(ローマ字表記)
  梁 正樹 [Ryo, Masaki]
対象学生 対象年次 単位数
  2~ 2
必修・指定選択・選択の別 曜日時限 教室
  水3 理-1番講義室
科目群 講義番号
  R19057
クラス指定  
理学部2年次~
 
他との関連(関連項目)  
量子力学、物理数学3(グリーン関数)、固体物理学、原子核物理学、素粒子物理学
 
履修条件(授業に必要な既修得科目または前提知識)  
「代数及び幾何Ⅰ,II」の内容と、マクスウェル方程式程度の数学(偏微分と線積分)を理解していることが望ましい。
 
テーマ・副題  
複素関数論は物理数学の中でも特に美しい分野で、正則性(複素微分可能性)を課すことが非常に強い制限となってコーシー=リーマン方程式、積分定理と積分公式、留数定理や級数展開、解析接続など種々の非自明な結果が従います。
物理定数や現実世界の拘束を受けず人間の知性のみで構築された水晶の建築物のようなこの理論を、複素数の導入からリーマン予想まで端的に紹介します。
 
授業科目の到達目標  
● 複素数および複素関数の基本的な性質が理解できる。
● 複素関数の微積分ができる。
● 留数定理を実定積分の評価に応用できる。
● 多価関数とリーマン面の基本的な性質が理解できる。

フーリエ変換(物理数学1)、ガンマ関数(物理数学2)、グリーン関数の評価(物理数学3)では複素関数論が必要ですので、該当者にとっては必修です。
 
『ディプロマ・ポリシー』を含む学部・研究科・学科等の学修・教育目標との関連  
理学部ディプロマ・ポリシーにある「自然科学の基幹領域に関する基礎知識とそれを基にした思考力」
を習得するための科目である。
 
授業キーワード  
複素関数, 正則関数, 留数定理, 多価関数, コーシーの積分定理, 積分公式, 逆ラプラス変換, ブロムウィッチ積分, ゼータ関数, リーマン予想
 
授業の内容  
これまでは、もっぱら実関数の解析学を使ってきましたが、本講義では複素数の関数を扱います。微分可能な複素関数がもつ著しい性質を学び、正則関数と有理型関数の基本的な性質を概観します。
 
授業の方法  
通常の講義形式。
 
事前準備学修・事後展開学修  
授業1回あたり合計4時間の事前準備・事後展開学修が目安である。
復習を中心に行うこと。講義はそれ以前の内容を理解していることを前提に行う。
適宜課題レポートを課す。それらについては必ず復習すること。
 
授業展開(スケジュール)  
※様子を見て内容を取捨・補足・前後させることがあります。

1. 導入,複素平面と極形式
2. 複素関数の微分と正則関数
3. 多項式と指数関数、三角関数
4. 複素関数の積分
5. コーシーの積分定理
6. コーシーの積分公式
7. 留数定理
8. 実積分への応用(三角関数型,フーリエ型など)
9. 主値積分
10. 多価関数の積分
11. 複素数のべき展開
12. ローラン展開
13. 解析接続
14. 逆ラプラス変換とブロムウィッチ積分
15. ゼータ関数とリーマン予想(補遺)
16. 期末試験
 
授業の詳細(履修登録学生のみ閲覧可)  
WebClassへ
 
成績評価の方法と観点  
レポート(36%)と期末試験(64%)で評価する。
 
成績評価基準  
埼玉大学単位修得の認定に関する規則に基づき、履修者が授業の到達目標をどれだけ達成したかに応じて以下の通り評価する。
「到達目標を超え、全般的に特に秀でている」 =GP:4 = S
「到達目標を超えており、部分的に秀でている」 =GP:3.5=A+
「到達目標を超えている」 =GP:3 = A
「到達目標に十分達しており、部分的に秀でている」 =GP:2.5=B+
「到達目標に十分達している」 =GP:2 = B
「到達目標に最低限達しており、部分的に B 以上の水準にある」=GP:1.5=C+
「到達目標に最低限達している」 =GP:1 = C
「到達目標に達していない」 =GP:0 = D
「到達目標の達成度を測る材料がない」 =GP:0=F
 
テキスト  
教科書1 ISBN 978-4000077750
書名 複素関数(理工系の数学入門コース5)
著者名 表実 出版社 岩波書店 出版年 2019
備考
 
参考図書  
参考書1 ISBN 978-4320032866
書名 複素関数論 : 物理のための数学入門
著者名 有馬朗人, 神部勉 出版社 出版年 1991
備考
参考書2 ISBN
書名
著者名 出版社 岩波書店 出版年
備考
参考書3 ISBN
書名
著者名 出版社 共立出版 出版年
備考
 
学生へのメッセージ  
複素関数の性質を理解することで解析関数に対する見方が一新することでしょう。応用面では、実定積分の計算手法を拡大するとともに、微分方程式を解いたり、特殊関数を定義したりするための統一的な見通しを与えてくれることでしょう。講義に出席しノートを取るだけでは問題が解けるようにはなりません。複素関数論は物理学諸分野の理解に不可欠な内容なので、講義と並行して各自問題演習を行い、ひとつずつマスターしていくようにしてください。
 
人数制限 ※詳細は「その他・備考」欄を参照してください。  
なし。
 
連絡先(電話番号)  
なし。
 
連絡先(メールアドレス)  
mjsyang_AT_mail.saitama-u.ac.jp
 
オフィスアワー  
金曜の3・4限。理学部一号館五階1539室。
 
連絡先(ホームページ、その他)  
なし。
 
関連ホームページ  
なし。
 
その他・備考  
なし。
 
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