タイトル
     2023 年度 前期  理学部 物理学科 日英区分 :日本語 
  
宇宙物理学
Astrophysics
  
ナンバリング 科目分野
PHYS4287   理学部専門科目
担当教員(ローマ字表記)
  寺田 幸功 [Terada,Yukikatsu]
対象学生 対象年次 単位数
  3~ 2
必修・指定選択・選択の別 曜日時限 教室
  水1 理-8番講義室
科目群 講義番号
  R12341
クラス指定  
理学部物理学科4年 (意欲のある学生は三年生でも受講可)
 
他との関連(関連項目)  
電磁気学、量子力学、統計力学、相対論を履修していることが望ましい。ただし、必須とはしない。
 
履修条件(授業に必要な既修得科目または前提知識)  
物理学科3年次相当の物理学の知識があるとよい。

ただし、第一タームでの宇宙飛翔体実験での検出器に関する講義は、物理学実験II、物理学実験IIIの実習で得られる知識があると、理解度が上がると考えます。
 
テーマ・副題  
科学衛星を用いたエックス線帯域の天体観測をテーマとする。
高エネルギー天体の観測技術、および、高エネルギー宇宙物理学。
 
授業科目の到達目標  
物理学の応用分野である「宇宙物理」をテーマに、宇宙における高エネルギー現象の謎解明の歴史を追体験することで、「物理的な思考」を身につけることを目標に、宇宙の極限状態における物理過程を理解することを本講義の目的とする。
 
『ディプロマ・ポリシー』を含む学部・研究科・学科等の学修・教育目標との関連  
広い意味で、物理学の考え方を習得する、という点では学科の教育目標に沿っている。基本的な物理過程の理解は学科目標と同一であるが、宇宙物理に特有な知識を習得する事も狙うので、必修とはしない。
なお、本講義は、理学部ディプロマ・ポリシー(1)にある「自然科学の基幹領域(数学・物理学・化学・生物学・地学など)に関する基礎知識とそれを基にした思考力」の獲得を目指す科目である。
 
授業キーワード  
高エネルギー天体
X線放射過程
飛翔体物理実験
 
授業の内容  
講義前半(第一ターム)では、X線で宇宙を観測する人工衛星への搭載機器など、物理実験の技術に関する講義を行う。
講義後半(第二ターム)では、太陽、白色矮星、中性子星、ブラックホール、超新星残骸などの高エネルギー天体のX線ガンマ線観測や、天体における電磁波放射の物理素過程を講義する。
 
授業の方法  
対面での講義を行う予定です。詳細はWebClassにて連絡します。
授業で使用する参考資料は第一回の講義にて配布します(WebClassにも掲載します)。
講義における板書は、スクリーンにプレゼンテーションを投影しながら行いますが、板書する内容は配布しませんので、各自ノートを取ってください。
 
事前準備学修・事後展開学修  
授業1回あたり合計4時間の事前準備・事後展開学修が目安となります。事前に配布した資料で予習を行い(目安1時間)、講義の復習を行い(目安1時間)、毎回出題する課題を提出ください(目安2時間)。また、各課題の採点結果を確認し、復習を行ってください。
 
授業展開(スケジュール)  
No.内容
第1回 第一章:宇宙物理概要 1. (宇宙を対象にした物理学、電磁波観測)
第2回 第一章:宇宙物理概要 2. (電磁波天体観測の例)
第3回 第二章:宇宙X線観測用の検出器 1 (様々な宇宙観測用検出器と物理素過程)
第4回 第二章:宇宙X線観測用の検出器 2 (比例計数管)
第5回 第二章:宇宙X線観測用の検出器 3 (ガス蛍光比例計数管、シンチレーター)
第6回 第二章:宇宙X線観測用の検出器 4 (高感度シンチレーター, 半導体検出器)
第7回 第二章:宇宙X線観測用の検出器 5 (X線撮像系)
第8回 第三章:太陽における高エネルギー現象
第9回 第四章:白色矮星の熱的プラズマ1. (星の一生と縮退星、白色矮星)
第10回 第四章:白色矮星の熱的プラズマ2 (強磁場連星と質量降着)
第11回 第四章:白色矮星の熱的プラズマ3 (磁極にたつ高温プラズマ柱とX線観測)
第12回 第五章:縮退星・中性子星 1(パルサーとパルサー風星雲)
第13回 第五章:縮退星・中性子星 2(パルサーとパルサー風星雲)
第14回 第六章:ブラックホール天体
第15回 第七章:超新星残骸 (超新星、非平衡プラズマ、宇宙線起源, 元素合成)
第16回 ※ 学生の理解度によって進行速度を調整します。
 
授業の詳細(履修登録学生のみ閲覧可)  
WebClassへ
 
成績評価の方法と観点  
講義期間中に課す課題(15回分)で評価します。具体的には、各課題の得点(80%)、および、課題の提出状況(20%)で評価を行います。
各課題の採点においては、講義での理解度、および、新たに自力で調べた内容を考慮する。
 
成績評価基準  
埼玉大学単位修得の認定に関する規則に基づき、履修者が授業の到達目標をどれだけ達成したかに応じて以下の通り評価する。
「到達目標を超え、全般的に特に秀でている」 =GP:4 = S
「到達目標を超えており、部分的に秀でている」 =GP:3.5=A+
「到達目標を超えている」 =GP:3 = A
「到達目標に十分達しており、部分的に秀でている」 =GP:2.5=B+
「到達目標に十分達している」 =GP:2 = B
「到達目標に最低限達しており、部分的に B 以上の水準にある」=GP:1.5=C+
「到達目標に最低限達している」 =GP:1 = C
「到達目標に達していない」 =GP:0 = D
「到達目標の達成度を測る材料がない」 =GP:0=F
 
テキスト  
備考 特に指定なし
 
参考図書  
参考書1 ISBN 978-4-254-131277
書名 宇宙物理学ハンドブック
著者名 高原文郎 [ほか] 編集 出版社 朝倉書店 出版年 2020
備考
参考書2 ISBN 978-4-535-607286
書名 ブラックホールと高エネルギー現象
著者名 小山勝二, 嶺重慎編 出版社 日本評論社 出版年 2007
備考
参考書3 ISBN 978-4-13062624-8
書名 目からウロコの物理学1 -力学・電磁気学・熱力学-
著者名 牧島一夫著 出版社 東京大学出版会 出版年 2022
備考
参考書4 ISBN 978-4-535-607378
書名 高エネルギー天文学
著者名 井上一 [ほか] 編 出版社 日本評論社 出版年 2008
備考
参考書5 ISBN ISSN 1349-113X
書名 宇宙放射線の観測
著者名 牧野文命 出版社 JAXA Special Publication 出版年 2013
備考 http://id.nii.ac.jp/1696/00004329/
 
学生へのメッセージ  
宇宙物理を楽しみましょう。
今年度は、担当教員が開発している科学衛星を打ち上げ、初期観測を実施する年でもあります。そのため、休講とせざるを得ない回もあるかもしれませんが、WebClass等で補足します。本講義に関連するため、科学衛星に関する話題も講義の前後で提供できたらと思います。
 
人数制限 ※詳細は「その他・備考」欄を参照してください。  
特になし
 
連絡先(電話番号)  
048-858-3365
 
連絡先(メールアドレス)  
terada.AT.mail.saitama-u.ac.jp もしくは WebClass メッセージ機能で質問ください。(.AT.は@に変更して送信ください)
 
オフィスアワー  
質問等は随時受け付けます。部屋に居ない場合でも電子メールやWebClassのメッセージで質問いただければ、返信します。

月曜 11:30 -- 13:00, 水曜 12:10 -- 13:00

 
連絡先(ホームページ、その他)  
https://www.heal.phy.saitama-u.ac.jp/
 
関連ホームページ  
https://www.oai.saitama-u.ac.jp/
 
その他・備考  
就活や教育実習等で出席が困難な場合は事前に連絡ください。
 
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