タイトル
     2023 年度 前期  理学部 物理学科 日英区分 :日本語 
  
熱力学
Thermodynamics
  
ナンバリング 科目分野
PHYS2130   理学部専門科目
担当教員(ローマ字表記)
  谷口 弘三 [Taniguchi,Hiromi]
対象学生 対象年次 単位数
  2~ 2
必修・指定選択・選択の別 曜日時限 教室
必修 水2 理-8番講義室
科目群 講義番号
  R12137
クラス指定  
物理学科2年次、ただし、他学科からの受講も歓迎する。
(まずは、WebClassに入ってください、そこに指示が書いてあります)
 
他との関連(関連項目)  
必修
 
履修条件(授業に必要な既修得科目または前提知識)  
力学Iや電磁気学Iなどの一年生科目を理解し、微分積分などの数学を身に着けていること
 
テーマ・副題  
熱力学の理論体系の理解と熱に関わる諸問題への応用
 
授業科目の到達目標  
熱力学の個別の基本法則を理解する。それぞれの基本法則の関係性を理解する。基本法則を組み合わせた理論体系を理解し、現実の系への応用問題に適用できるようにする。
 
『ディプロマ・ポリシー』を含む学部・研究科・学科等の学修・教育目標との関連  
熱力学は物理学の中でも、力学や電磁気学とともに、土台となる学問であり、物理学の考え方を理解する方法を学ぶ場である。また、熱力学は統計力学を理解する上では特に重要であり、次のステップへの準備学習としても重要である。さらに、熱力学は、基礎研究の最前線や応用分野でも重要であり、将来的に実用することも念頭に置いて、学習することが必要である。この講義により、自然現象をすじみちを立てて理解する物理学の考え方を身につけ、現代物理学を理解し応用するための基礎を養成するとともに、物理学が関わる様々な科学分野に貢献し、広く社会で活躍できる人材を養成する。
 
授業キーワード  
熱平衡状態、温度の定義、等温過程、断熱過程、可逆過程、不可逆過程、準静的過程、熱力学の第1法則・第2法則、自由エネルギー、エントロピー、カルノーの定理
 
授業の内容  
熱力学では、巨視的な視点から熱が関与する現象に内在する普遍的な法則を探ってゆく。それをどのように定量化するか、また具体的な現象にどのように適用するかを学ぶ。
 
授業の方法  
テキストを配して講義をおこなう。テキストはWebclassからダウンロードしてください。講義は、前回までの内容を理解していることを前提として行うので、復習を怠るとついてゆけなくなります。講義内容を理解しているかを、複数種類の課題で確認します。
 
事前準備学修・事後展開学修  
授業1回あたり合計4時間の事前準備・事後展開学修が目安となります。事前準備学修として、WebClassの資料や参考書等で授業内容を予習しておいてください(1時間程度)。事後展開学修として、授業内容の重要ポイントを整理し、授業で残した計算や課題等に取り組んでください(3時間程度)。
 
授業展開(スケジュール)  
第1回  熱力学に論理的構造について (公理、論理、理想化)と数学的予備知識(偏微分と全微分)
第2回  熱力学第0法則と温度
第3回  熱量と比熱及び熱力学第1法則
第4回  平面グリーンの定理と状態量及び第1法則からのエントロピーの議論
第5回  熱力学第2法則とエントロピー 
第6回  自由膨張過程とエントロピー
第7回  熱力学第3法則
第8回  ファンデアワールス状態方程式
第9回  気体分子運動論と固体の比熱
第10回 断熱過程の応用とカルノーサイクル1(カルノーサイクルの紹介とカルノーの理論)
第11回 カルノーサイクル2(カルノーの理論の証明、エントロピー増大則の導出)
第12回 様々な熱機関と熱力学ポテンシャル
第13回 ジュールトムソン過程と自由膨張過程の応用
第14回 相と相転移
第15回 熱力学の応用(ゴム弾性、光子気体、磁性体の熱力学)
第16回 期末テスト

・ 物理学演習IIにおいて3週に一度熱力学の演習を行う。本講義と一体のものとして履修すること(ただし、他学科の人、すでに演習を履修済みの人は、演習の問題などを各個人で勉強すること)。
・ 進度はずれることがある。また、一部の内容は進度によっては適宜取捨選択することがある。
 
授業の詳細(履修登録学生のみ閲覧可)  
WebClassへ
 
成績評価の方法と観点  
期末試験は7割程度、その他の課題(レポート、Webclassの小テスト)を3割程度とする。
講義内容を理解しているかを第一に評価し、さらに応用力も評価する。これまで経験上、レポートやWebclassの小テストと期末テストの成績は強い相関があるので、日ごろから勉強し、課題をこなすことが重要である。
 
成績評価基準  
埼玉大学単位修得の認定に関する規則に基づき、履修者が授業の到達目標をどれだけ達成したかに応じて以下の通り評価する。
「到達目標を超え、全般的に特に秀でている」 =GP:4 = S
「到達目標を超えており、部分的に秀でている」 =GP:3.5=A+
「到達目標を超えている」 =GP:3 = A
「到達目標に十分達しており、部分的に秀でている」 =GP:2.5=B+
「到達目標に十分達している」 =GP:2 = B
「到達目標に最低限達しており、部分的に B 以上の水準にある」=GP:1.5=C+
「到達目標に最低限達している」 =GP:1 = C
「到達目標に達していない」 =GP:0 = D
「到達目標の達成度を測る材料がない」 =GP:0=F
 
テキスト  
備考 テキストはWebclassからダウンロードすること
 
参考図書  
参考書1 ISBN 978-4-06-157203-
書名 熱力学
著者名 菊川芳夫 著,菊川, 芳夫,二宮, 正夫, 1944-,北原, 和夫, 1946-,並木, 雅俊, 1953-, 出版社 講談社 出版年 2010
備考
参考書2 ISBN 978-4-7853-2232-
書名 熱力学 : 物理学講義
著者名 松下貢 著,松下, 貢, 1943-, 出版社 裳華房 出版年 2009
備考
参考書3 ISBN 978-4-320-03507-
書名 熱力学 = Thermodynamics : エントロピーを理解するために
著者名 佐々木一夫 著,佐々木, 一夫,須藤, 彰三,岡, 真, 1953-, 出版社 共立出版 出版年 2013
備考
参考書4 ISBN 978-4-7819-1397-
書名 熱・統計力学講義ノート
著者名 森成隆夫 著,森成, 隆夫, 1971-, 出版社 サイエンス社 出版年 2017
備考
参考書5 ISBN 4-7819-0762-8
書名 熱力学の基礎
著者名 宮下精二 著,宮下, 精二, 1954-, 出版社 サイエンス社 出版年 1995
備考
参考書6 ISBN 978-4-320-03466-
書名 現代の熱力学
著者名 白井光雲 著,白井, 光雲, 出版社 共立出版 出版年 2011
備考
参考書7 ISBN 978-4-13-062609-
書名 熱力学の基礎
著者名 清水明 著,清水, 明, 1956-, 出版社 東京大学出版会 出版年 2007
備考
 
学生へのメッセージ  
熱力学は完成度の高い体系ですが、熱という実体のないものをそのまま物理学のまな板に載せるため、なかなかとらえがたいところがあります。そのためか、熱力学の定式化の過程は本によって非常に様々です。本講義で熱力学の体系を勉強し、全体像を理解してから、さらに、別の教科書で勉強してみることをお勧めします。
 
人数制限 ※詳細は「その他・備考」欄を参照してください。  
なし
 
連絡先(電話番号)  
070-8819-4698
 
連絡先(メールアドレス)  
hirotani@mail.saitama-u.ac.jp
 
オフィスアワー  
基本的は、月曜、木曜、金曜。WbClass上のメッセージ機能での質問を歓迎する。
 
連絡先(ホームページ、その他)  
WebClass上の谷口まで
 
関連ホームページ  
なし
 
その他・備考  
なし
 
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