タイトル
     2023 年度 前期  教養学部 日英区分 :日本語 
  
ヨーロッパ研究入門
Introduction to European Studies
  
ナンバリング 科目分野
EUST1012   教養学部専門
担当教員(ローマ字表記)
  髙畑 悠介 [Takahata, Yusuke]
対象学生 対象年次 単位数
    2
必修・指定選択・選択の別 曜日時限 教室
  月4 全学講義棟 1-304
科目群 講義番号
  F41003
クラス指定  
教養学部ヨーロッパ・アメリカ文化専修所属の学生は必修。
 
他との関連(関連項目)  
特になし
 
履修条件(授業に必要な既修得科目または前提知識)  
特にないが、世界史の知識がある程度あった方が内容理解の助けになると思われる。
 
テーマ・副題  
ヨーロッパ起源の諸々の思想や制度、文化について理解を深める。
 
授業科目の到達目標  
ヨーロッパ起源の諸々の思想や制度、文化についての基礎的理解を得るとともに、人文社会科学における(多くはヨーロッパ起源の)諸々の思考様式や価値判断の間の対立構造について、パラダイムレベルで把握する足掛かりを作る。
 
『ディプロマ・ポリシー』を含む学部・研究科・学科等の学修・教育目標との関連  
教養学部ヨーロッパ・アメリカ文化専修の教育目標1「ヨーロッパとアメリカの文化を研究するための基礎知識を修得する」に関連する科目です。
 
授業キーワード  
ヨーロッパ、近代批判、啓蒙思想、啓蒙主義、社会契約説、社会契約論、天賦人権説、ノーマライゼーション、民主主義、自由、フランス革命、合理主義、イデオロギー、リベラリズム、リベラル、左翼思想、多様性、進歩主義、保守主義、個人主義、道徳、倫理、ニヒリズム、階級、植民地支配、人種差別、ポリティカル・コレクトネス、ナショナリズム、経済学、自由貿易、普遍主義、国際政治、外交、キリスト教、EU、移民、ルソー、プラトン
 
授業の内容  
米中の経済・政治面での覇権闘争やウクライナにおける米露戦争が取り沙汰される昨今、ヨーロッパはかつて誇った存在感を大幅に失いつつあるが、それでもなお、ヨーロッパ起源の諸々の文化や思想、制度は、我々の社会や思考のあり方に決定的な影響を与え続けている。特に、啓蒙主義を中核とする「ヨーロッパ近代」への理解は――中でも日本人が伝統的に最も不得手で、明治以来ヨーロッパから無批判かつ無防備に影響を受けてきた社会科学の領域における「ヨーロッパ近代」への理解は――「多様性」や「ポリティカル・コレクトネス」、「死刑廃止や同性婚、DXの実現において「遅れている」日本」、さらには「自由、民主主義、基本的人権、市場経済、法の支配という「普遍的な」価値観を共有する我々西側諸国」といった、今日の日本人を取り巻く各種のスローガンやイデオロギーに対する我々の姿勢を決定する上で極めて重要な意味を持つ。本講義では、古代ギリシアから今日のEUの実態まで、通史をベースに眺めながら、ヨーロッパの生み出した諸々の思想や制度、文化について概観するとともに、入門の授業ではあるが、古典や著名な学術書のピックアップも交えながら、一般的な通念を越えた踏み込んだ考察も積極的に取り入れる。
 
授業の方法  
講義形式。Webclassに一括でアップロードするレジュメを用いる。
 
事前準備学修・事後展開学修  
授業1回あたり合計4時間の事前準備・事後展開学修が大学としての目安であるが、事前準備はレジュメの該当箇所に目を通す作業が中心となるため、目安は30分とし、残りの3時間半を事後展開学修として、授業内容を復習しつつWebclassのコメントシートに各自の考えや疑問点を記入する作業を行うこととする。
 
授業展開(スケジュール)  
第1回 イントロダクション:日本人の「他者」としてのヨーロッパ近代

第2回 ヨーロッパ理解の基礎としての地理:緯度、土壌、気候…地理条件が生活様式と人々の精神構造に与える影響

第3回 近くて遠い古代ギリシャ・ローマ:詩人追放論から「食べるために吐き、吐くために食べる」享楽主義、分割統治まで

第4回 民主主義は本当に最善の政治形態か?民主主義の「反真善美」性、平等の原理がはらむニヒリズム、物質主義や傲慢、堕落との親和性、衆愚政治や数による暴力との近接…/プラトン『国家』

第5回 中世:領域支配の概念、キリスト教の浸透と個人主義/阿部謹也『ヨーロッパを見る視角』西尾幹二『個人主義とは何か』

第6回 初期近代(近世)①:宗教改革とキリスト教諸派~宗教の政治性、キリスト教各宗派がそれぞれ帯びる社会的ニュアンス

第7回 初期近代(近世)②:三十年戦争と主権国家体制、勢力均衡とリアリズム外交~「「普遍的な」価値観に基づく国際協調」の問題性

第8回 初期近代(近世)③:ルネサンスと近代のメンタリティ~「17世紀の危機」とある種の知的後退、デカルトの確実性志向やライプニッツの普遍志向の歴史化/スティーヴン・トゥールミン『近代とは何か』

第9回 啓蒙主義再考①:神を退け「人間様」を世界の中心に据えた啓蒙主義と現代社会の物質主義の関係、フランス革命の知られざる顔、理性万能主義(進歩主義)への批判とヨーロッパ思想の副流としての保守主義

第10回 啓蒙主義再考②:社会契約説や天賦人権説は無謬の公理なのか?「自由」であることがなぜ無条件に善なのか?近代のアノミーと「神の復讐」、ポランニー『大転換』が指摘する自由主義経済と全体主義の密接な関係

第11回 啓蒙主義再考③:ルソー『社会契約論』の奇妙な記述「結果が原因になることが必要」が露呈する理論的破綻と宗教への接近、近代世俗社会の価値規範に忍び込んだ「神の亡霊」。反設計主義のハイエクが『自由の価値』で提唱する自由競争主義は別種の設計主義?

第12回 日本人の想像を超えるヨーロッパの階級社会、静かなる価値体系闘争としての「ディスタンクシオン」/ピエール・ブルデュー『ディスタンクシオン』

第13回 植民地支配の禍根と残滓、19世紀の陰りゆく時代精神とヨーロッパ近代の極北としてのニーチェの思想、ユダヤ系革新思想の特性とその基盤としての特異な出自・利害/ニーチェ『道徳の系譜学』

第14回 自由貿易神話の検証とナショナリズムの理論的擁護~自由貿易を「支持」したマルクスの真意、民主主義の基盤の同胞意識の基盤は社会構成員間の一定の均質性?天然版「無知のベール」としての「お互い様」の原理?/ベネディクト・アンダーソン『想像の共同体』

第15回 二度の世界大戦とEUの現状・行方、移民問題とポリティカル・コレクトネス、中華未来主義/E.H.カー『危機の二十年』ダグラス・マレー『ヨーロッパの自死』

第16回 期末試験
 
授業の詳細(履修登録学生のみ閲覧可)  
WebClassへ
 
成績評価の方法と観点  
期末テスト60%、毎回のコメントシート40%。
 
成績評価基準  
埼玉大学単位修得の認定に関する規則に基づき、履修者が授業の到達目標をどれだけ達成したかに応じて以下の通り評価する。
「到達目標を超え、全般的に特に秀でている」 =GP:4 = S
「到達目標を超えており、部分的に秀でている」 =GP:3.5=A+
「到達目標を超えている」 =GP:3 = A
「到達目標に十分達しており、部分的に秀でている」 =GP:2.5=B+
「到達目標に十分達している」 =GP:2 = B
「到達目標に最低限達しており、部分的に B 以上の水準にある」=GP:1.5=C+
「到達目標に最低限達している」 =GP:1 = C
「到達目標に達していない」 =GP:0 = D
「到達目標の達成度を測る材料がない」 =GP:0=F
 
テキスト  
備考 Webclassにアップロードするレジュメを用いる。
 
参考図書  
備考 授業中に指示する。
 
学生へのメッセージ  
専修内では必修の基礎講義ですが、せっかくですので、ヨーロッパ起源の思想や制度、文化について通り一遍の紋切り型な認識を越えて学ぶとともに、「知的ミーハー」で満足するのではなく、自分の頭、自分の言葉で、「当たり障り」を怖れず一歩踏み込んで思考する能力を磨きましょう。
 
人数制限 ※詳細は「その他・備考」欄を参照してください。  
なし
 
連絡先(電話番号)  
なし
 
連絡先(メールアドレス)  
ytakahata@mail.saitama-u.ac.jp
 
オフィスアワー  
金曜3限(事前にメールなどでアポイントメントをとること)
 
連絡先(ホームページ、その他)  
なし
 
関連ホームページ  
なし
 
その他・備考  
なし
 
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